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タイトルにつながる流れ
先日、お正月のお花として3mの松を生けさせていただきました。
生け込み先のご厚意で手斧をご用意してくださっていました。
ナタは使ったことがありましたが斧は無かったのでせっかくだからとお借りしました。
華道経験者ならナタはよく聞くけど斧はどうなの?と思われるかと思います。
これが非常に使いづらい…
使いづらさの理由
太い枝になると花材の寸法を決め切断する際は基本的にノコギリを使用します。
手斧は切断面を水揚げのために斜めに切ったり削ったりするために使用します(本来はナタがこの役目)。
その際に手斧では削ぐ(そぐ)ことができないのです。
斧の刃は基本的に両刃となっていて薪割のように縦に叩き割る動きを得意としていますので削ぎ落すように使用すると刃が滑って入って行きません。
そのため花材を寝かせて枝の根元を叩くように切ることになりますが花材が揺れ地面と擦れて枝葉が傷みます。
そこで気付きました。
切り花用の刃物のほとんどが片刃で出来ている
- 花バサミ 片刃同士が花材を挟んで切断
- 花ナタ・フローリストナイフ・切り出しナイフ・花小刀 全て片刃
例外として水揚げにカッターを使われる方がいらっしゃいますが、刃が薄いので削ぐ事をメインとして使われています。
刃の形の理由は全て花を長持ちさせるため
水切りの基本として茎を斜めに切って切断面を広く露出させることを一番最初に習うかと思います。
そうすることで水が揚がりやすくなるのは周知の事実ですよね
花バサミ以外で切断面を広く露出させようとすると自然と削ぐことになります。
切断面を削ぐ=花が長生きする。
削ぐことに適した形状としてほぼすべての道具が片刃になっているということは作った人も使っている人も古くから花の命が出来るだけ長く保たれるように考えていると言うことだと思います。
道具一つをとってみても花への尊敬と愛情がこもっているものだと手斧をお借りすることができたおかげて気付くことができました。
生け込み先の御担当者様ありがとうございました。
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