生け花の道具

華道家の私が古流鋏(大久保鋏)をお勧めしない理由

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こんにちは華道家のふらいけです。

今回は古流鋏を私がオススメしない理由を書いていきたいと思います。

最初にお伝えしたいのは、この記事は古流鋏を否定するものではなく使っている方を非難している訳でもありません。

私としても形が好きだったり、使っていてテンションが上がる鋏が利便性に関係なく一番いいと思っていますし、古流鋏を使うメリットも書いてありますので、誤解の無いようにお願いいたします。

古流鋏の形

古流鋏の形を知らない方のために画像を貼っておくと、こんな感じのハサミです。

おすすめしない分、私も所持していないのでフリー素材のボヤケタ画像しか無くてすみません。

画像の物よりも、本来の古流鋏はもう少し丸っこいです。

本物が見たい方はGoogleの画像検索で大久保鋏を調べた時のリンクを貼っておきますので、ご利用ください。

Google画像検索:古流鋏

盆栽で使う鋏のような感じで手を覆う部分が大きな輪になっているのが特徴的です。

お勧めしない理由

お勧めしない理由は三つあります。

1.池坊鋏に比べて力が入りにくい。

力を入れる時に大きな輪の部分が邪魔をするのと握る部分が池坊鋏に比べて少し細いので力が入れにくいから

2.かさ張る。

カバンに入れて持ち運んだり、仕事などで腰から下げて持ち歩く時に輪が大きい分、場所を大きく取って、かさ張る。

3.指が痛くなる(個人差あり)

一日の内に午前と午後でお稽古があったり、お花の仕事で半日ほど花鋏を使うなど長時間使用する時に個人差はありますが、茎を切る際に大きな輪の内側に人差し指や薬指が擦れて指の皮が剥けたり痛みが出たりしてしまうことがある。

ちなみに私は手が一般的な成人男性より小さい方なので、手の大きさは関係なく、握り方や手の形などで痛みが出る可能性があるうえに、買ってから長時間使用しないと痛みが出るかどうか分からないので、これからお稽古を始める初心者の方には古流鋏はおすすめしないです。

以上がオススメしない理由ですがメリットもあります。

古流鋏を使うメリット

古流鋏を使うメリットは2つ

1.扱いやすい

まず初めて花鋏を使う方でも癖が無く文房具の普通のハサミのように扱えるところです。

これは大きな輪の部分が開閉を助けてくれるので初めて使う方でも扱いやすいです。

お稽古など習い事はせずに趣味で切り花を一輪挿しに飾るという楽しみ方をする場合は古流鋏に似た形で、もう少し扱いやすい形の物をお勧めするぐらい この形は扱いやすいです。

まるっこくて可愛い

デザインの話になってしまいますが、見た目が丸くて可愛い。

個人的に花の道具は使っていてテンションが上がるのは結構重要だと思っているので、金属で出来ていて武骨ながらも、やさしめな丸っこいフォルムは古流鋏 唯一のものです。

古流なら古流鋏?

古流を習っている方で花鋏をどれにするか悩んでいるので、あれば古流鋏を買って一度 挑戦するのはありかなと思います。

せっかく流派の名前がついた鋏ですし、試してみて指が痛くなったり、かさ張るなと思ったら池坊鋏を試すのは有りかと思います。

古流だから古流鋏を使わなきゃいけないというのは聞いたことが有りませんし、池坊も池坊鋏じゃなきゃいけないというのも聞いたことがありませんので、流派の名前が付いた鋏なら一度使ってみてから決めるという、こだわりに対しては私は肯定派です。

しかしながら、少数派だとは思いますが、その流派の本部で講師をしたいと思うのであれば、古流なら古流鋏、池坊なら池坊鋏の図式は成り立ってしまう可能性があります。

池坊の本部の先生が古流鋏を使っているのは見たことが無いので、古流で本部講師のような役職を目指すのであれば、古流鋏に慣れておいたほうが良いかと思います。

その場合に古流鋏を使っていて指が痛くなってしまう方は鋏の大きさを変えるなどして工夫してみてください。

まとめ

以上がお勧めしない理由とメリットでした。

扱いやすくて可愛らしい鋏ですが、指のケガだけ注意していただければと思います。

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この記事を書かせていただきました。 華道家をしている「ふらいけ」と申します。